アカスジキンカメムシあっと驚いたこと

2019年05月19日

ウスバシロチョウの卵のことなど

 今日、ウスバシロチョウの♀が死んだ。卵を産み、すべてをやり終えたかのように、静かに横たわっていた。僕はそれを見て、感謝という言葉がわき上がってくるのを感じた。

 ウスバシロチョウは、そんなに珍しい蝶ではない。兵庫県にもたくさんの生息地がある。いや、あったというべきか。かつてこの蝶が生息していた場所は、ちょっと見には今も変わらず緑が広がっている。しかしそこに、ウスバシロチョウの姿はない。原因は鹿害である。シカが食草のみならず、蜜源植物などをことごとく食い荒らしているのだ。
 だからシカが嫌いな植物だけが残り、蝶の姿はぐっと減った。増えたのはマダニとヤマビルだけだ。特に被害が酷いのは、草本を食草とする蝶たちだ。

 今回採卵した母蝶は、西播磨地方の某所で、僕が新たに発見した生息地で採集した。そこは山の斜面を開墾したひな壇状の畑で、クリ畑などもある。背後の山には、広い範囲で鹿柵が設けられているので、鹿害をまぬかれたのだろう。畑の斜面には、アザミやタンポポの花が咲き、蜜源もたっぷりある場所である。

 西播磨地方でウスバシロチョウの姿を見たのは、何年ぶりだろうか。探索した甲斐があったというものだ。

 採集した時から、片側の翅が半分以上なかったが、けなげにも40卵ほどの卵を与えてくれた。

 不思議なことに、ほとんどが5卵ずつの小卵塊である。

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 こんな感じで。

 横から見ると、鏡餅のような形。
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 アゲハチョウの仲間というよりは、シジミチョウの仲間のような卵である。拡大すると、細かな彫刻が見える。
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 この卵は大切に保管して、来年、佐用町の昆虫館で育てたいと思っている。昆虫館の庭には、ムラサキケマンが豊富にあるからね。元は昆虫館周辺にもたくさんのウスバシロチョウがいたのだが、最近はめっきり少なくなってしまった。

 さて今日は、小学校に持ってゆくオオムラサキの幼虫の準備もした。準備と言っても、立ち木に袋掛けして育てている幼虫を、鉢植えのエノキに移すだけだ。毎年、2~3の小学校に提供させていただいて、少し授業もさせてもらっている(本当にありがたいことだ)。
 兵庫県では、県が独自に作っているテキストに、オオムラサキの話が出てくるので、小学校3年生で蝶のことを学習する際にも、オオムラサキについて学ぶようだ。今年もまた、2校でお話しをさせていただく。子供たちの笑顔は、最高だといつも思う。

 で、袋掛けの中を整理していたら、テングチョウの蛹も出てきた。おやおや、テングの幼虫君を、知らぬ間に袋に閉じ込めていたらしい。
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 我が家では、娘が採卵したツマグロヒョウモンの卵が孵化して、50以上の幼虫が餌を食べ始めた。ヤママユとクスサンとトビモンオオエダシャクの幼虫も、毎日たくさん葉っぱを食べている。僕はとても忙しいのだ。

smallblue at 21:21│Comments(0)

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