2019年07月07日

あっと驚いたこと

 今日の昼下がり、近所の男の子たちが団地の庭で虫採りをしているのを見ていたら、「おじちゃ~~~ん、ハッチョウトンボがおる~~!」と興奮した大声(よく知っている子たちなのだ)。団地の庭である。確かに草地だが、ハッチョウトンボが好きな湿地じゃない(団地の庭が湿地だったら、僕は嬉しいけど、団地の住人から苦情が殺到するだろう)。

 「持ってきてみせて」と窓から呼ぶと、やがて翅を手でつまんで、持ってきてくれた。

 う~む、これは・・・。
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 これは・・・
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 ハッチョウトンボではないか!
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 え~~~~~!!!???
 
 なんで団地の庭に、ハッチョウトンボがいるんだ? 再び虫採りに駆け出して行った男の子たちは、やがて「おっちゃ~~ん、♀がおった~~~」
 いや、♂だけじゃなくて♀までも・・・。

 この団地は標高が55mの段丘上にある。段丘のすそにはため池があって、確かにそこの湿地にはハッチョウトンボが生息しているが、比高差にして30m、距離にして100mは離れている。ハッチョウトンボがそんなに飛ぶもんかなと思いつつ、ふと庭を見て、はたと膝を打った。

 1階の人が、庭に大きなセメントを混ぜる用の舟を置いて、そこにガマやら水草やらを入れて、メダカを育てているのだ。ハッチョウ君は、どうやらそこに生息しているらしい。初代が池から飛んできたのか、はたまた住人の方が池から連れてきたのかはまだわからないが。

 それにしても子供が純粋に虫採りをするというのは、すごいものだ。純粋に虫を探すから、あんな小さなトンボも見つけられるのだ。僕だったら、まさかそんなものがいるとは想像もしないから、見つけられなかっただろう。
 
 虫採りの極意を、小学生から教わったような気がして、うれしいような、悔しいような日曜日だった。


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2019年05月19日

ウスバシロチョウの卵のことなど

 今日、ウスバシロチョウの♀が死んだ。卵を産み、すべてをやり終えたかのように、静かに横たわっていた。僕はそれを見て、感謝という言葉がわき上がってくるのを感じた。

 ウスバシロチョウは、そんなに珍しい蝶ではない。兵庫県にもたくさんの生息地がある。いや、あったというべきか。かつてこの蝶が生息していた場所は、ちょっと見には今も変わらず緑が広がっている。しかしそこに、ウスバシロチョウの姿はない。原因は鹿害である。シカが食草のみならず、蜜源植物などをことごとく食い荒らしているのだ。
 だからシカが嫌いな植物だけが残り、蝶の姿はぐっと減った。増えたのはマダニとヤマビルだけだ。特に被害が酷いのは、草本を食草とする蝶たちだ。

 今回採卵した母蝶は、西播磨地方の某所で、僕が新たに発見した生息地で採集した。そこは山の斜面を開墾したひな壇状の畑で、クリ畑などもある。背後の山には、広い範囲で鹿柵が設けられているので、鹿害をまぬかれたのだろう。畑の斜面には、アザミやタンポポの花が咲き、蜜源もたっぷりある場所である。

 西播磨地方でウスバシロチョウの姿を見たのは、何年ぶりだろうか。探索した甲斐があったというものだ。

 採集した時から、片側の翅が半分以上なかったが、けなげにも40卵ほどの卵を与えてくれた。

 不思議なことに、ほとんどが5卵ずつの小卵塊である。

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 こんな感じで。

 横から見ると、鏡餅のような形。
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 アゲハチョウの仲間というよりは、シジミチョウの仲間のような卵である。拡大すると、細かな彫刻が見える。
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 この卵は大切に保管して、来年、佐用町の昆虫館で育てたいと思っている。昆虫館の庭には、ムラサキケマンが豊富にあるからね。元は昆虫館周辺にもたくさんのウスバシロチョウがいたのだが、最近はめっきり少なくなってしまった。

 さて今日は、小学校に持ってゆくオオムラサキの幼虫の準備もした。準備と言っても、立ち木に袋掛けして育てている幼虫を、鉢植えのエノキに移すだけだ。毎年、2~3の小学校に提供させていただいて、少し授業もさせてもらっている(本当にありがたいことだ)。
 兵庫県では、県が独自に作っているテキストに、オオムラサキの話が出てくるので、小学校3年生で蝶のことを学習する際にも、オオムラサキについて学ぶようだ。今年もまた、2校でお話しをさせていただく。子供たちの笑顔は、最高だといつも思う。

 で、袋掛けの中を整理していたら、テングチョウの蛹も出てきた。おやおや、テングの幼虫君を、知らぬ間に袋に閉じ込めていたらしい。
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 我が家では、娘が採卵したツマグロヒョウモンの卵が孵化して、50以上の幼虫が餌を食べ始めた。ヤママユとクスサンとトビモンオオエダシャクの幼虫も、毎日たくさん葉っぱを食べている。僕はとても忙しいのだ。

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2019年04月29日

アカスジキンカメムシ

 去年の秋、ある場所で幼虫を採集したアカスジキンカメムシが、一昨日、脱皮して成虫になった。初めてのことなので、かなりうれしい。

 幼虫君は、長い間、狭いタッパーに入って我が家の冷蔵庫で冬を越したのだ(これは妻には内緒である)。アカスジキンカメムシのホストはツゲだということなので、近所の植木屋さんでツゲを探したが、「ツゲはこちらです」という店員さんの案内で行ってみると、ことごとくイヌツゲでどうしようもなく、越冬明けからは、ティッシュに含ませた砂糖水を与えていた。幼虫君は、ずっとティッシュにしがみついて吸っているのか、吸っていないのかわからなかったが、無事に成虫になったところをみると、少しは栄養になっていたのだろうか。
 見れば見るほどきれいな虫で、ため息が出る(我ながらヘンな奴だな)。

 画像の右側は、幼虫の脱皮殻。
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